VOYAGERチップ間隔可変電動ピペットを活用して実りある未来を培う

· ユーザー証言

VOYAGERチップ間隔可変電動ピペットを活用して実りある未来を培う

農業セクターにおける進歩を加速 

NARDI Funduleaは、ルーマニアの主要な農業研究センターとして認知されており、これまでにヒマワリ、トウモロコシ、コムギ、デュラムコムギ、オオムギ、ダイズなど、400品種以上の畑作物を開発した広範な育種プログラムを展開しています。さらに、フェノタイピング・ジェノタイピング研究室の研究者は、重要な農業形質を探究する、遺伝的多様性と遺伝的関連性に関するさまざまな研究を実施しています。現代の品種に求められる特性として、病害抵抗性、熱・ストレス耐性、干ばつ収量、品質などが挙げられますが、これらは、気候変動に対してより強靭な作物の収量を増やすために不可欠な形質です。同研究室では、これらの特性を調べるために、毎日数百のサンプルからDNAを抽出して分析する必要があります。

ジェノタイピング・フェノタイピング研究室の研究者であるダニエル・クリスティーナ氏から、研究室で実施されているプロトコルのポートフォリオについてご説明いただきました。「私たちは、地元の畑から収穫した作物における多種多様なゲノムマーカーおよび表現型マーカーを調べていて、その結果は所内の育種者が望ましい形質を持つ新しい植物品種を作出するのに役立っています。そのために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイのほか、競合的アレル特異的PCR(KASP)アッセイのようなより特異的なタイプのジェノタイピングアッセイなどの実験を行う必要があります。これらのプロトコルには液体処理工程が多数含まれているので、研究室でチューブ-プレート間の複数のDNAサンプルの同時移し替えを迅速かつ簡単に行えるよう、VOYAGERチップ間隔可変電動ピペットに頼っています。」

生産性が鍵

ダニエル氏と彼のチームは、1日あたり100~200のサンプルを処理するため、迅速かつ効率的に作業する必要があります。幸いなことに、VOYAGERチップ間隔可変電動ピペットは、精度と生産性の高い分注を念頭に設計されています。同研究室は、2015年に最初の8チャンネルVOYAGERピペットに投資し、現在はINTEGRAの0.5~12.5マイクロリットルピペットと5~125マイクロリットルピペットを所有しています。ダニエル氏から、次のコメントをいただきました。「最初のVOYAGERピペットを導入したときに、研究室の処理能力がそれまでとは違うことにすぐに気づきました。サンプルを1つずつ分注するのではなく、異なる形式の実験容器間でも、一度に複数のサンプルを移し替えることができました。これは、作業速度を大幅に高めるのに役立ちました。これらのピペットは汎用性が高く、今では私たちのワークフローの不可欠な部分となっています。PCRおよびKASPアッセイの際に、それらを使用して、単純な液体処理工程を実施するとともに、核酸サンプルの分注と混合も行っています。」

NARDI Fundulea VOYAGER
写真提供NARDI Fundulea

完全なピペットソリューション

同研究室の研究者は自身のワークフローの効率を重視していますが、質の高い結果を生み出すには正確度と精度も最重要事項です。ダニエル氏から、研究室が最適な正確度を維持するうえでINTEGRAのピペットがどのように役立っているかについてご説明いただきました。「VOYAGERピペットを使用することで、ピペット作業時に実施する必要がある反復工程の数が削減されます。その結果、人的ミスが起こる可能性が低くなります。同時に、一度に複数のサンプルを分注することで、サンプルの追跡がより簡単になります。最後に、GRIPTIPS®ピペットチップは、ピペットプロセスにおける液漏れや緩みなどの問題を一切起こすことなく、完璧にフィットします。」

農業の変革に向けた課題の克服

「農業セクターが非常に急速な進化を遂げる中、INTEGRAのピペットは私たちの研究の進展に伴って、私たちの研究室にさまざまなベネフィットを絶えずもたらしてくれるでしょう。残念ながら、ルーマニアでは農業研究が過小評価される傾向にあり、そのために調達される資金も不足しがちです。とは言え、我が国の人口増加に耐えるために農業がいかに重要であるかを社会が認識するにつれ状況が変化することを願っています。気候変動などの問題が消え去ることはありませんので、私たちは農業業界が将来これらの課題を克服するのを支援することを目指して、VOYAGERピペットのポートフォリオを拡大する予定です。」とダニエル氏は締めくくりました。